熱帯夜

「あ、入場開始みたいっすよ!」

「私達、ジュースとか買って来るね!お金は後で請求するよーん!(笑)」

「ちゃっかりしてるなぁ…」

「だって割り勘って決めたじゃん!」

「はいはい」

「親しき仲にも礼儀あり~!」

「分かったからーほら行くぞー」

「じゃ、先に入っててねー」

「うん、よろしくね」

「俺ジンジャーエールな」

「あいよー」

「あ、あいつら手ぇつないでんぞ」

「ホントだ」

「二人の喧嘩って、何か見てて微笑ましいよね」

「うんうん」

「羨ましいっす!」

「俺と手ぇつなぐか?」

「何言ってるんすか!!」

「え、俺とお前の仲じゃん」

「勘違いされるからやめて下さいよー先輩ー!」

「ふふふ」

「お似合いだよ?」

「先輩ー!先輩は知ってるじゃないっすかー!イジメないで下さいよー!」

「ん?何なに?」

「西川さんっ何でもないっす!」

「必死だな」

「先輩が変なこと言うから」


少しふて腐れた彼が、何だか可愛く見えた。