「ちょっといいかな?」
そう呼ばれて顔をあげると、ちょっと好青年っぽい爽やかな男の子が立っていた。
「はい?何でしょう?美菜ならどうぞ!!」
「あ、ごめんね?水本さんじゃなくて、桐谷さんに話がしたくて・・・・」
え?うち!?
「ああ、ごめんねー?この子天然だもので、その雰囲気とかわかんないのよ・・・」
???
美菜も何言ってんの?
「んー・・・よくわかんないけど、うちに話があるならききますよ?」
「じゃあ、ここじゃなんだし屋上にでも・・・いいかな?」
「はい!!じゃ、美菜、行ってくるねー。」
そういって教室をでて、廊下を歩いているとなぜかすれ違うみんながちらちらみてくる。
なんか顔についてるのかなー??
そう思って顔をぺたぺたさわっているうちに屋上についた。
「桐谷さん。俺桐谷さんのこと好きなんだけど、付き合ってくれませんか?」
ああー・・・
こういうの何回言われても慣れないな・・・・
「ごめんなさい。あなたのことよく知らないし、友達からでもいいかな?」
入学して一週間。
毎日毎日、一日十回以上もこのせりふを繰り返している。
「そっかー・・・じゃあ、メアド教えてくれないかな?」
「あ、私ケータイもってないの。ごめんね?」
みんなわたしのどこを、どう好きになったんだろう。
「えーっと・・・じゃあ、たまに話かけてもいいかな?」
「もちろん。よろしくね!!えーっと・・・」
「あ、俺隆哉っつーんだ。よろしく、柚ちゃん。」
「うん!よろしく、隆哉くん。」
「じゃあ俺いくな!また。」
そういって去っていった隆哉くん。
結局、彼もうちのどこを好きになったんだろね?

