「華…」


会社前の植え込みに座り携帯を握り締めている私を呼ぶ声が聞こえた



「成瀬さん…」



成瀬は、いつもの優しい笑顔で私の方へ歩み寄る


「心配させるなよ…」



涙が止まらない私を、ゆっくりと抱きしめた



賢治とは違う香りの腕の中、安らぎを感じる自分がいた