「本当に送らなくて大丈夫？」


「はい、まだ電車あるんで」



「何かあれば連絡しろよ

俺はいつも華の味方だから」



「はい、ありがとうございます」



成瀬の言葉が染みた


私は深くお辞儀をし成瀬の乗ったタクシーを見送った



幸せかぁ…


何だろう幸せって…





銀座から電車に乗ろうと大通りを歩いていると見覚えのある高級車が一台止まっていた



賢治さん…？



次の瞬間、高級すし屋から出てきたのは賢治と沙耶だった




車に乗り込み消えていく二人の姿をただ傍観することしか出来ない



「幸せって何なんだろう…？」



車の去った方を見つめ小さく呟いた