「しかし…、華のご主人が五十嵐だったとはな」


「はい…」


「驚いたよ…」




「成瀬さんと賢治さんって…」


聞きたかった一言が震えて上手く言えず手元にあったウーロンハイを飲んだ



「学生時代の友人だよ」


優しい口調で成瀬が答えた



「友人？」


「そう…大学時代の」


「って事は西野沙耶さんもご存知なんですね」



成瀬は少し驚いたあと小さく笑った



「後輩だからね、華こそよく知ってるね」



「私、賢治さんと知り合う以前から昼は賢治さんの会社で派遣として働いたんです…」



「えっ？」



「だから西野さんの事も…」



成瀬は何か考えているのか黙ってしまった