「寛、おはよう」


目の前にいつも見る背中をポンと叩いた


「おはよ、何か今日やけに機嫌良いな」


寛人が眠そうに振り返る



「そう?」



会社の前で寛人に会い一緒に歩いていると見覚えのある高級車が止まった



中からは賢治と秘書が降りてくる



そこに居合わせた社員は深くお辞儀をし社長に挨拶している


私もその中の一人だ…



賢治と一瞬目が合った気がしたがそのまま私の横を通り過ぎ会社へ入っていった



私は顔をあげ小さくふぅーと息を吐いた