「やばい…遅刻、遅刻」


金曜日の夜、人波を掻き分け表参道をヒールで小走りする



着いたのは一本路地を入ったカジュアルなイタリアン



「華!」


彼は既に白ワインを空け一杯やっている



「ごめんなさい、仕事が押しちゃって」


私もコートを脱ぎ椅子に座った



「久し振りだな、元気だった?」



「はい、成瀬さんもお元気そうで」



「ああ」



成瀬は華のグラスにワインを注ぎ乾杯した


「うーん美味しい!」



「仕事は順調?」


「はい、おかげ様で」