一ヵ月後
「華、今日で最後なんだから、とことん飲むよ」
帰る支度をしながら亜紀が言った
「私、他部署に挨拶してくるから先行ってて」
私は一ヶ月前、派遣の営業が来たときに契約打ち切りの旨を伝えていた
新しく入ってきた派遣の女の子への引継ぎも何とか終り荷物と菓子折りを持ちお世話になった各フロアーへ挨拶へ回った
32Fの総務部へ挨拶を終えエレベーターを待っていると沙耶に出くわした
沙耶は少し驚いたような表情をし、すぐにいつもの冷めた笑みに変わった
「今日で会社お辞めになるそうですね」
「はい、お世話になりました」
何か言いたげな沙耶を他所に私は笑顔で頭を下げエレベーターに乗った
少し清々しい気持ちになれた
会社を出て改めて自分が働いてきたビルを見上げる
これで本当に最後だ
賢治と私を繋ぐものは無くなった
父の会社も賢治の支援のおかげで業績も良くなりつつある
私は35Fにある社長室の窓を見つめ小さくお辞儀をした
「よし、今日は寛と亜紀の奢りで朝まで飲むぞ」
と小さく気合を入れ歩き出した
「華、今日で最後なんだから、とことん飲むよ」
帰る支度をしながら亜紀が言った
「私、他部署に挨拶してくるから先行ってて」
私は一ヶ月前、派遣の営業が来たときに契約打ち切りの旨を伝えていた
新しく入ってきた派遣の女の子への引継ぎも何とか終り荷物と菓子折りを持ちお世話になった各フロアーへ挨拶へ回った
32Fの総務部へ挨拶を終えエレベーターを待っていると沙耶に出くわした
沙耶は少し驚いたような表情をし、すぐにいつもの冷めた笑みに変わった
「今日で会社お辞めになるそうですね」
「はい、お世話になりました」
何か言いたげな沙耶を他所に私は笑顔で頭を下げエレベーターに乗った
少し清々しい気持ちになれた
会社を出て改めて自分が働いてきたビルを見上げる
これで本当に最後だ
賢治と私を繋ぐものは無くなった
父の会社も賢治の支援のおかげで業績も良くなりつつある
私は35Fにある社長室の窓を見つめ小さくお辞儀をした
「よし、今日は寛と亜紀の奢りで朝まで飲むぞ」
と小さく気合を入れ歩き出した