「ちょっとは成長したでしょ?」


「ええ」


そう言って頷いたライアンが、体を屈めてチュッと私の唇を奪った。


「もう、こんなところでやめてよ」


「仕事は終わったんだ。これからはプライベートな時間だろ?」


「そうだけど!」


「じゃあ、問題ないよな」


また文句を言おうとする私の口を、またライアンが塞ぐ。


結局、次の目的地に着くまでライアンは私を離さなかった。


「そんな不機嫌な顔で会うつもりか?」


「ライアンのせいだからね!」


タクシーでたどり着いた場所は、高級住宅街の中でも一番綺麗で立派な家。


「機嫌、なおしてやろうか?」


「いいです!」


近づいてくるライアンの胸を両手で押し返し、家のチャイムを押した。