「仕事中ですけど」


キッと睨むと、その視線を笑顔で交わしてライアンは仕事に戻った。


ほんと、ライアンは余裕しゃくしゃくって感じでズルい。


こっちはちょっとのスキンシップでもドキドキしてるっていうのに。


「ライアーン、コーヒー欲しい」


「かしこまりました。社長」


ちょっと悔しいから、少しだけ社長の権限を使って命令してみた。


「どうぞ」


「ありがとう」


ライアンの淹れてくれた甘い甘いコーヒーを飲む。


そのコーヒーは私好みで、どれだけライアンは私のことを熟知しているんだろう?って思ったら、やっぱりライアンには敵わないなって感じてしまった。


次の日、朝から私とライアンはアメリカのニューヨークに向かった。


今回はアメリカのお菓子会社との提携話しを進めるための渡米。


「行こうか、ライアン」


久しぶりに来たアメリカの空気を思いっきり吸って、タクシーに乗り込んだ。