「はーい」


返事をしてジュースを飲む。


その間にライアンは、自分の食器と私の食器を洗ってくれた。


「美亜、行くぞ」


「うん」


玄関のドアを閉めると、ライアンが鍵をかけてくれる。


部屋の鍵を胸ポケットにしまったライアンは、私の手を引いて駐車場に向かった。


「ねえ、ライアン。今晩はパスタが食べたいな」


「ああ。分かった」


「ふふっ。やっぱり主夫みたい」


「だから、美亜のためなら俺は何にでもなるって言ったろ」


頭にそっと、キスを落とされる。


「幸せ」


ライアンに聞こえないようにそっと呟く。


ライアンがエリート社員でも主夫でも、私の隣にいてくれるだけで十分って思いながら、仕事に向かった。