彼の名前はライアン・リード、29歳のアメリカ人。


ハリウッドセレブ並の容姿の持ち主で、身長180センチ以上で足が長く、サラッとした茶髪の髪、鼻が高く、ブルーがかった瞳が印象的な、私の秘書で婚約者。


頭もすごく良く、弁護士の資格を持ち、母国語の英語、日本語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語を話す。


「仕事中のキスは禁止!」


「顔真っ赤にさせてそんなこと言われても、説得力ないよ。美亜だってキスしたいでしょ?」


「私はライアンとは違います~」


ライアンからカップを奪い取り、コーヒーを飲む。


そしてこの話は終わりと言わんばかりに椅子を回し、ライアンに背を向けた。


ソーサーにカップを置き、世界中から届くメールに目を通す。


そんな私を見てか、ライアンはスっと私から離れていった。


「ライアンのバカ」


ライアンのせいで途切れた集中力を取り戻すように、頬を2回パチパチと叩く。


「ライアンなんかに惑わされてたら、会社が潰れちゃうよ。パパから引き継いだこの福田会社を守らなきゃいけないんだから」


私の名前は福田美亜、日本人だけどアメリカ育ちの27歳。


世界中で有名なお菓子メーカー福田株式会社の社長の座をパパから継いでまだ1年、プレッシャーを感じる日々だけど、毎日充実した時間を過ごしています。