「眠いよ」


まだ起きたくなくて、体を揺すられた手を振り払う。


「相変わらず、寝起きが悪いな」


「ん?」


一瞬体が浮いた感じがして、何事かと頑張って眠い目を開ける。


「やっと起きたか?」


「うーん」


気がついたら、私は子供のようにライアンに抱っこされていた。


そのままリビングに連れて行かれる。


そしてゆっくりと、食事をするテーブルの椅子に下ろされた。


「ちょっと待ってろ」


優しく私の頭をなでて、ライアンがキッチンに消えていく。


それからすぐに、お盆にいい匂いがする小ぶりの丼を2つ乗せて戻って来た。


「卵雑炊。これなら食べれるだろ?」


そう言って私の前に、ふわふわの卵とご飯が出汁で煮込まれ、青ネギが飾られた卵雑炊が置かれた。