「出掛けられるか?」


「うん」


パソコンの電源を落とし、バックを掴む。


「行こう、美亜」


差し出された手を握って、社長室を出た。


「お腹空いちゃったな」


そう呟くのと同時に、お腹がグーっと鳴る。


「フッ」


そんな私を、ライアンは鼻で笑った。


「もー笑わないでよ」


恥ずかしくなって顔をうつむかせると、ライアンに腰をグッと抱かれた。


「悪かった。お腹が空くってことは、それだけ頑張って仕事をしたってことだ」


腰を抱かれたまま、駐車場まで歩いていく。


「ほら。乗って」


駐車場に着くと車の鍵を開け、助手席のドアを開けてくれた。