あの智さん以上の存在になりたい。
なれないかもしれない。
でも、やる前から諦めたらそりゃなれるわけないし?
だったら、あれだよな。
「当たって砕けろ、ってか?」
「おぉ、雅ナイス!」
「直登を粉々にしてやんよ。」
「それはノットナイス・・・。」
「そんな言葉ねぇよ!」
最後の最後までバカでいってやる。
隣で笑っている直登を見て思った。
確かに元から俺らはバカだけど、今以上にバカ正直に動いてみたい。
また何かあったら相談すればいい。
もう一人で抱え込むことはしない。
『そんなことじゃ、いつか雅が壊れちゃうよ。抱え込みすぎるのはやめた方がいいよ。』
いつか紗奈がこんなことを言っていた。
その時俺は『今はもう少しだけ、俺自身で頑張ってみたい』と思っていた。
でもやっぱりそれは違う。
これからは、俺一人じゃなくて、こうやって誰かと一緒に頑張っていきたい。
いつか、未那に振り向いてもらえるように。
「雅、帰ろうぜ!」
「おう!」
俺と直登は完全に沈んだ太陽に背を向けて自分たちの家に帰った。
家に帰ってギターの練習。
風呂に入って飯食って、明日の朝を楽しみにベッドに入った。
明日、未那に聞いてみよう。
聞けそうな雰囲気だったらの話だけど?
でも、いつかは聞きたいと思ってたんだ。
だから、俺が思ったときに聞けばいい。
「よし。寝よ。・・・・・・・・・あ!」
宿題!!
その後、二時間は数学のプリント地獄から逃れることができなかった。


