「俺らバカなわけだし、バカならバカでバカらしいことをバカの如く」
「バカバカバカバカ、言うなよ!?てか、俺ら、ってなんだよ!」
「あぁ、わりぃ。」
ヘヘッと笑って頭をかく直登。
その仕草は直登のクセなんだろうな。
「とにかくだな、どっちにしろ聞くか聞かないかは雅しだいだな。」
「最終的にはそうだけどな。・・・あの傷何なんですか~!」
「何なんでしょう~!」
地面に転んで空に向かって叫んだその言葉は、未那に届くことはなく儚く消えていった。
「雅。」
隣から直登の声が聞こえた。
その直登を見ると、空を見つめたまま俺に話を続けた。
「好きな人に好きな人がいるなら、その人を上回ればいんじゃねぇの。」
「は?」
「未那さんの彼氏以上に、もっと、こう・・・なっ!」
「なんだよ。」
「わかんねぇけどさ~。俺もそうなろうと努力してるしさ。」
「俺、直登に負けたくねぇな・・・。」
「んなっ。ちょっとは負けろよ!」
「おい、それ言ったら終わりだろ?」
「あ、そっか。」
やっぱりこいつはバカだ。
でも、俺もこんなふうにバカになりたいと思った。
こうやって好きなように、やってみたい。
バカでも何でもいい。
今やるべきこと、今やれることを一生懸命やって、未那に振り向いてもらいたい。


