家について、とにかくギターの練習をした。
これ以上迷惑をかけないために、あいつらと一緒に楽しく部活をするために。
母さんが「ご飯できたわよ」と部屋に入って来ても、俺は無視してギター練習をしていた。
そんな俺を見て呆れた母さんは「好きにしなさい」と言って出て行った。
言われなくてもそのつもりだっての。
さっきからやっぱり同じところしか間違えていない。
そこばっかりを重点的に練習してんのに、それでもやっぱり通してみるとミスる。
「自分で作ったくせに、かっこわりぃ。」
独り言をつぶやきながら、気づけば夜中の十二時はとっくに過ぎていて、時間の流れる速さを実感させられる。
それからさらに数時間後。
「っしゃ!できるじゃん、俺。」
何とか最大の敵を倒して、というか、弾けるようになりひと段落つくことにした。
でも、今までギターと楽譜にしか目が向いていなかったせいで、この時すでに外が明るくなっていたことに気づいてなかった。
「・・・五時。」
現在朝方の五時を、時計の針が指していた。
結局夕飯食べてねぇし、あげく朝だし。
睡眠不足にもほどがあるって・・・。
と思いつつ、とにかく寝れるだけ寝ることにした。
でも、今までしっかりギターに熱中してた分考えなかったことが、再び俺の頭の中を支配していく。
もう少ししたら、未那に会える―――。
「未那・・・」
その名前を静かに呟いて、俺は目を閉じた。


