教室に戻ると、俺に気付いてある奴が俺に近づいてきた。
「おはよう、雅っ。」
「はよ。」
俺に話しかけてきたのは同じ軽音楽部の平野 紗奈(ヒラノ サナ)。
いつも明るくて元気なんだよな。
女なのに軽音楽部ベース担当で、可愛いよりかっこいいの言葉の方が似合うような奴。
「今日部活ないのにギター持ってきたんだね。」
「は!?今日なかったっけ!?」
「そうだよ。その代り明日あるらしいけど。」
「んな話聞いてねぇぞ。」
「雅はいつも人の話聞いてないもんね。」
そこが俺の欠点とでも言いたげな紗奈。
話聞いてなくて悪かったなっての。
先輩たちの話よりギターいじってる方が楽しいんだよ。
それよか、俺のあの朝の努力。
意味ねぇし・・・。
あれだけ走ってバス乗ってギター背負ってここまで来たのに?
今日は部活がありません、てふざけんなよ。
いつも火曜が休みだろー!
心の中での俺の叫びは誰にも伝わらない。
そうこうしてたら担任が入ってきた。
今日も長い一日が始まるのか・・・。


