―――兄貴がお姉さんのこと話してるときの顔、ヤバいから。
一輝もまた紗奈と同じようなことを言う。
俺が一体どんな顔をしてたって言うんだよ。
俺自身気づいてないって、何がだよ。
「俺、受験勉強しねぇといけねぇから部屋戻るぜ。」
「待てよ、俺の話は!?」
「もうわかってんだろ。好きなもんは好きだろ。」
「でも、未那には彼氏がいて」
「そんなもん、好きな気持ちに関係ねぇって。」
「でも」
「兄貴、そのお姉さん、未那さんのこと考えながら自分の顔を鏡で見ろよ。」
いや、そんなナルシみたいなことできねぇよ。
と言う間もなく、一輝は俺の部屋から出て行った。
「鏡で見ろって・・・」
俺はしばらく部屋から出ることはなかった。
ずっと未那のことや自分の気持ちについて考えていた。
あぁ、俺だめだ。
こんなんじゃ、何も解決しねぇよ!
「雅ー。お風呂入っちゃってー。」
一階から母さんが俺を呼ぶ声がした。
仕方なく俺は風呂場へと足を運んだ。
風呂に入っても未那のことを考えていた。
俺はいつからこんなにも未那のことを考え始めてたんだろうか。


