バス停について、俺はギターを背負い学校へと足を進めていった。
にしても、ギターが重い!
高校に入ったらぜってぇ軽音楽部って決めてたのはいいけど、やっぱ家からギター運ぶのは辛い。
バス通ってのも考えて部活選ぶべきだった。
トコトコ歩いて学校に着くころには、また汗が額を流れ始めていた。
タオルがねぇと、やっぱ不自由だな。
教室に入ってもなおも汗が止まらない。
机にカバンを置いて開けると、そこにはさっきのあの人のタイルがあった。
当たり前か、返しそびれたんだし、入れたんだし。
これは今日持って帰って洗って返すしかねぇな。
俺はそのカバンを閉めて、ギターを持つ。
部室、視聴覚教室にこいつは持っていく。
教室に置いとくといろんな奴に触られるし、迷惑かけるし。
一人、ギターを背負って視聴覚教室に向かう。
視聴覚教室は俺の教室から結構遠いところにある。
不便だなぁ、と思いながら毎日あの部屋に向かう。
ガラガラッ―――
朝の誰もいない視聴覚教室。
静かすぎるこの空間。
放課後にはすげーにぎやかになるんだけどな。
いつもの定位置に自分の相棒を置いて、俺はその部屋を後にした。


