まさか俺よりも早く彼女を作るなんて思いもしなかった。
弟に負けるなんて・・・。
年子だからって、くっそぉ!
俺だってすぐに、なんてわけにはいかないんだよな。
「兄貴、母さん買い出し行ってて今日の晩飯張りきって作るみたいだぜ。」
「はぁ。母さんも承諾済みか・・・。」
「今晩泊まってくんだもんな、雪。」
「そっか、泊りまで・・・って、はぁ!?」
「いえ、そんな!泊まりません!!」
「冗談だって~。」
「「一輝!!」」
「・・・すみません。」
俺と雪ちゃんの声がハモったところで、ちょうど母さんが帰ってきた。
今晩は鍋で、雪ちゃんはその鍋を食ってそそくさと帰って行った。
もちろん、一輝が送って行ったわけだが、帰ってくるのが遅い・・・。
あれから三十分は経った。
『すぐそこまで送ってくる』
って言ってたのはつい三十分前のこと。
「すぐそこって、どこだよ!」
ガチャッ―――
その時、玄関の扉が開く音がした。
やっと帰って来たらしい。


