そう言って、手にピカピカ光っているケータイを持ってファミレスを出て行った紗奈。
そんな紗奈の背中を見ながら、再度俺は「ありがとう」と呟いた。
その後すぐ俺もファミレスを出て、家路についた。
家に帰ってすぐ気付いたのは、玄関にある靴。
そこには女子のローファーが一足きれいに並べてあった。
俺は靴を脱いでリビングへ向かう。
「ただいま。」
「あ、お帰り。」
「お邪魔してます。」
そこにいたのは俺の弟の一輝(イツキ)と、一人の可愛らしい女の子。
一輝と同じ学校の制服を着ていた。
「おう。どうも。」
「えっと、一輝くんのお兄さんですか?」
「そうですけど。キミは?」
「兄貴、キミ、とか言うのやめてくんね?俺の彼女に向かってさっ。」
「あぁ、一輝のかの・・・は!?」
今、一輝が言ったのは俺の耳が壊れてなけりゃ、その、あれだよな!?
「あ、えっと・・・最近お付き合いし始めたんですけど。橋本雪(ハシモト ユキ)といいます。」
「一輝、お前いつの間に!?」
「俺の初めての彼女っ。」
そう言っている一輝の顔が、いつもよりも数倍輝いて見えたのはあえて言わない。


