でも、紗奈は俺のギターをいじっていないって言ったんだ。
大事な友達を信じないでどうするんだ。
ギターを定位置に置き、俺は視聴覚教室を後にした。
教室に行くと、そこには紗奈と陵がいた。
二人は仲よさそうに話をしていた。
俺もその輪の中に入ろうと、体を向けたとき、誰かに肩を押さえられた。
「お、直登。どうしたんだよ。」
振り向くとそこには直登がいた。
「雅さ、昨日あの後、紗奈と話したのか?」
「あの後?」
「雅が部室から出て行って、紗奈が雅を追いかけて行ったろ?」
「あぁ、話した。」
「・・・そっか。紗奈、泣いて帰って来たぞ。」
「え?」
紗奈が、泣いて?
俺、泣かせるようなこと言ったのか?
「また雅がキツイこと言ったんじゃないかと思ってさ。」
直登の目が俺をジッと見つめる。
直登、何が言いだいんだ。
「待てよ、俺は別に紗奈を怒ったりとかしてねぇし、むしろ俺は紗奈のことを心配してやったくらいだぜ?」
「そういう雅の態度が紗奈を苦しめるんだよ!」
教室中に響いた直登の声は、俺の中にもしっかり響いていた。


