この時の俺は、本当に鈍感で、バカで、どうしようもなく・・・最低だった。
「紗奈、あのさ・・・それはいいんだけど、弦は」
『弦?知らないよ。緩んでたの?そんなのよくあることでしょっ。緩んでたら閉めればいいじゃない。』
「・・・そうだよな。悪い、疑って。」
『失礼しちゃうなっ。・・・ほんとに。』
「悪かったって。」
『じゃぁ、新曲の歌詞、聞かせてよ。』
「あぁ、わかった。」
俺はさっき書いたばかりの新曲の歌詞を読み上げた。
まだメロディーはないただの文章だけど、今回もまぁまぁよくできたと、自分でも思う。
まずは自分で納得がいかないと、他の人に納得してもらえるわけがねぇし。
「読むぞー。」
電話越しに「うん」という、紗奈のワクワクした声が聞こえた。
きっとあっちで楽しみに聞いてるんだろうな。
俺はそれを読みながらどんなメロディーにしようか悩んでいた。


