家に着くまでに今日のことを整理しなおした。
もしかしたら、本当に俺が紗奈に何かしてて怒ってたのかもしれない。
でも、だとしたら、俺は何をした?
いくら考えても、俺にはわからなかった。
「俺なんにもしてねぇよな・・・。」
バンドの新曲を考えてきてなかったのは悪いけど、それはついさっきの話だ。
朝は特に何もなかったはず。
あ、そういえば。
俺があのタオルを見てた時の顔がどうとか言ってたのは?
もしかして、あれが原因とか?
嬉しい顔して何が悪い、ってこれっておかしいのか?
俺は当たり前のことを言ったつもりだったんだけどな。
これが原因ってことは、ないか。
だったら、なんなんだよ!?
家についてもその答えは全くわからず、ギターを眺めながらただ時間が過ぎていくのを感じていた。
こんなことしてる場合じゃねぇのはわかってんだけど。
曲と歌詞を考えねぇと、またあいつらに迷惑かけちまうし。
紗奈のことも考えながら部活のことも考えるのは結構きつかった。
―――数時間後。
「とりあえず、こんなもんか。」
いつの間にか俺の頭の中は部活モードになっていた。
最初だけがきつかっただけだった。


