俺は跳ね起きて、ケータイを開いた。
体ってすげーな。
すぐに反射するんだもんな。
画面には『新着メール一通』の文字。
相手は、未那。
『久しぶり。今、大丈夫?』
簡単なこの文字を、俺はずっと心待ちしていた。
嬉しさのあまり、指が震えてるのが分かった。
今の俺の顔は、ニヤつきがハンパないと思う。
自分の部屋にいてよかったぁ・・・。
とりあえず、すぐに作成画面を出し未那に返事をする。
『久しぶり。俺はいつでも暇ですが。』
あくまでも平常を装って文字を打っていった。
送信してから数分で未那から返信があった。
『最近バスでも会えないし、メールもしないから、少し心配になっただけなんだけど。元気?』
『元気。心配ご無用って感じ。未那は?』
どうして最近あの時間のバスに乗ってこないのか、メールもなかったのか聞きたかった。
でも、今それを聞いてしまうと、すぐにこのメールも途絶えてしまいそうな気がしたんだ。
文面からは伝わりにくい未那の感情。
それをうまく読みとらないといけないんだ。


