俺の首に巻きついてきて、締めようとする直登を必死で突き放す。



ってか、俺がうざいって言われる筋合いなくねぇか!?


むしろ、お前らの方が万倍うざいっての。




「直登、それぐらいにしてあげて。」


「紗奈が言うなら。」

「バカップル。」


「「雅!!」」



キーンコーンカーンコーン――――――



昼休みの終わりを告げるチャイムが、俺たちを現実に戻す。


というか、この二人以外はみんな現実にいるんだけどな。



フワフワしてるこいつら以外は、な。




授業中もあいつらは二人仲良く話してるし、部活だって二人で・・・って、なんか腹が経ってくる。




「じゃぁ、雅。また明日な!」


「おう。」



「雅、明日ねっ。」



「おう。」




帰りだってもちろん直登は紗奈を送っていって、最後の最後までラブラブな訳ですね。


まったく、最後までイチャつきやがって・・・。




家に帰ると、久々に可愛らしい靴があったのが目にとまった。



俺が可愛らしいっていうと、なんだかこっぱずかしいが。


「ただいまー。」