そして、前を向いて、未那を見つめる。
そのとき、ギターを弾いていた手が一瞬止まりそうになった。
あと、もう少しだってのに、あぶねぇよ・・・。
ダンダダンッ―――。
直登のドラムの音が余韻を残す中、体育館が静かになった。
でも、次の瞬間には大喝采でいっぱいになっていた。
俺は頭を下げて『ありがとうございました』とあいさつをして、三人と一緒に袖に向かって歩いていった。
「雅、最高だったな。あとの三人も最高にかっこよかったぜ!」
袖に戻ると、鈴木先輩や部長が俺らのことを褒めてくれた。
紗奈なんか緊張がとけてか、涙なんか流してるし。
そんな紗奈の頭をさりげなく、ポンッと撫でるのは直登。
ジェントルマン?っての?
でも、そんな直登だって今でも手が少し震えてるのがわかった。
陵はギターを持ったまま、床に座って俯いていた。
今は、そっとしておこう。
「先輩、俺ちょっと出てきていいすか?後で戻ってくるんで、ちゃんと片づけしますから。」
「おう。あと二組が終わるまでに帰ってこいよ。」
「はい。」
俺は急いで未那のいた場所に向かった。
さっき、俺がギターを弾く手を止めそうになった。
その理由は、未那にあったから。


