アンプの前に膝をついて、笑っている俺に気がついた紗奈が、俺のところに走り寄ってきた。
「雅、大丈夫?どこか体調…」
「わりっ・・・ハハッ、元気。すげー元気。」
「どうした?雅、何やってんだ?」
「なぁ、直登」
「お?」と言っている直登に、顔を向ける。
俺、笑いが止まらねぇ・・・。
「俺、シールドが刺せないくらい手が震えてんだけどっ」
「「・・・はぁ!?」」
紗奈と直登が声をハモらせながら声を上げた。
それに気がついて、ギター調節をしていた陵が歩み寄ってきた。
「お前ら、早くしろよな。袖から先輩たちが見てんぞ?」
「おう!わりぃ!」
「雅、ちゃんとしなよ?私たちも緊張してるけど、今回一番ひどいのは」
「俺じゃなくて雅だよ!ったく、ほら、それ刺して!やるぞ!」
「っしゃ!」
なんとかシールドを刺して、袖にいる先輩たちに軽く頭を下げた。
そして、ステージのセンターに立ち・・・準備完了。
ギターを持つ手は、やっぱりちょっと震えてる。
けど、さっきのおかげで今は緊張よか、笑いをこらえる方がヤバかったりする。
まぁ、自分の気持ちより体の方が正直なんだけどな。
ブ――――――ッ
目の前の幕が、開き、視界がグッと広くなった。


