先輩たちがステージに立ち、幕が開くのを待っている。
それを見て、俺たちも深呼吸を繰り返していた。
俺の隣で「フーッ」と息を吐いているのは直登。
相当緊張してるんだろうな。
「直登、俺もお前も、紗奈も陵も、みんな緊張してると思うけど、楽しくやろうぜ。」
「っそうだな。そうだよな。おう!」
「直登が一番ひどいな。」
「だだだ、だってさ!」
「幕が開くぞ。」
ブ――――――っ……
ステージの幕が、ゆっくりと上に上がっていく。
それと同時に、幕の向こうからは拍手喝采。
『みなさん、ちわー!』
「「ちわー!!」」
ステージ袖からチラリと見えたのは、体育館からあふれんばかりの観客。
鈴木先輩のあいさつの声に負けないくらいの歓声。
先輩はマイクだけど、観客ってまんまの声だろ?
さすがだな・・・。
『じゃぁ、まずは俺らのバンドから~っよろしくぅっ!!』
「「きゃ――――ッ!鈴木くーん!」」
「「鈴木せんぱーい!!」」
「先輩、タメにも後輩にもモテモテだな。」
「だから俺は苦手なんだよっ。」
直登が鈴木先輩を見てプリプリしてるのを見て、このまま緊張がほぐれていけばいいのに、と内心思ったのは言わない。


