昨日の朝は泣いていた未那。
でも、今日はこんなにもきれいな笑顔なんだ。
人のいいところだよな。
こうやって笑えるってことは、他の生き物にはなかなかできないことだと思うから。
「雅・・・」
もう少しで未那が降りるバス停意に着くとき、急に未那の顔から笑顔が消えた。
また俺は何か言ってしまったのだろうか。
そして、未那は静かにある言葉を口にした。
「今日も、メール、してもいい?」
「・・・え?」
「あ、だめならいいんだけどね?・・・雅とメールしてると、楽しいから。」
どうして未那はそんな悲しくて優しい顔で、俺を見てくるんだよ・・・。
もっと、もっと俺を頼ってくれたらいいんだ。
もっと、わがまま言ってくれたらいいんだよ。
俺にできることは何でもするから・・・。
こうやって言えたら、どれだけ楽だろう。
「全然だめじゃねぇよ!むしろ、してこいって。俺も楽しいからさ。」
「ほんとに?・・・学校でケータイ使っちゃだめなんでしょ?なのに、大丈夫?」
「未那が気にするようなことじゃねぇって。バレたらバレたときな。」
「・・・ありがとう。じゃぁ、またねっ。」
「おう。じゃぁな。」
未那がバスを降りて行って、窓の外を覗くと、バスから少し離れた所から未那が手を振ってくれていた。
それに俺は少し大きく手を振りかえす。
未那に見えるように。
このとき俺は、未那の顔にあの笑顔が戻っていたことに気付かなかった。


