『未那、俺に会いに』
ばかー!んなこと聞けるか!!
三十分くらい悩んだ結果、何とかできあがった文章を未那に送信した。
最初からこれにすれば早い話だったんだよな。
『○月×日、暇ならうちの文化祭に来ないか?』
ライブとか、いきなり言ったら『見てほしい!』って堂々と言ってるようなもんだし。
興味ないかって、文化祭に興味の有無があるのかって話だし。
簡単に言えばこれを伝えたらいいんだもんな。
数分後、未那から返信があった。
『文化祭あるんだ!きっと暇だから友達と一緒に行くよ。』
「まじか!」
一人部屋で跳ね上がる俺。
ベッドがギシギシいうのは気にも留めず、嬉しくて嬉しくて一人で騒いでいた。
『わかった。文化祭、俺のバンドがライブするんだ。よかったら見に来てくれよな。』
現実では、はしゃぎまわっている俺をメール上では正常を装う。
はしゃぎまわってるとかバレたら、恥ずかしい以外の何ものでもない。
『絶対見に行くよ。じゃぁ、そろそろ寝るね?おやすみなさい。今日はたくさん話せて楽しかったです。また明日の朝ね。』
今、未那がどんなことを思っているかなんて、俺にはわからない。
でもこうやって俺とメールをしている間だけでも、苦しいことを忘れさせてあげられたなら、俺が未那と友達になった意味があったのかもしれないと思う。
楽しいと言ってくれるのなら、俺はいつでもこうやって未那を楽しませてあげたい。
こんな俺にできる、たった一つの未那を守る方法。
翌朝、バスに乗るといつもと変わらない笑顔の未那がいた。
「おはよう。昨日は楽しかったね。」
「おう。色々話したもんな。文化祭のこともよろしくな。」
「うん。頑張ってね。」


