すると鼻をすすりながら、顔を上げて「ごめん」と呟いた未那。
それでも涙が止まらない未那は、また俺に「ごめん」と呟いた。
「・・・何があった?」
そっと聞くと、未那は呼吸を整えて、静かに話してくれた。
「昨日ね・・・会えなかった、の・・・っ」
「会えなかった?」
「ドタ、キャンされちゃった・・・っ」
涙をこらえながら、嗚咽をこらえながら俺に言う未那。
昨日、俺がメールを送ろうとしていたとき、未那は一人だったんだ・・・。
「どうして、メールしてくれなかったんだよ・・・。いつでもメールしてくれたらいいって言っただろ?」
「できなかったっ・・・。どうしたらいいのか、わからっ、なくて・・・。」
「・・・・・」
「ごめ、んっ、ね・・・」
そのごめんは、一体誰に言ってるんだよ。
俺に向かって?それとも智さん?未那自身?
隣で泣きじゃくる未那を、どんな目で見て、どんな言葉をかければいいのか、全然わからなくて。
俺はただ、隣にいて黙っていることしかできなかった。
心の中で、結局俺は何もできなんだと、自分を悔いながら。
プシューッ―――
「あっ、降りなきゃ。じゃぁ、ごめんねっ、まさっ」
手で涙を拭きながら出て行こうとする未那。
「俺から!」
そんな未那に、やっと俺は声をかけた。
「俺からもメールする!」
未那は、涙を流しながら優しく笑ってバスを降りて行った。


