「雅、今日元気だね?」
弁当の卵焼きを摘まんだまま、話しかけてくる紗奈。
いや、卵食うか置くかしろよ。
「んあ、まぁ色々あってな。あっ」
「あ?」
ポテッ―――
「紗奈、卵焼き落ちたぞ。」
横から直登がヒョコッと顔を出す。
「あ、ほんとっ。最悪、楽しみだったのに。」
「楽しみなら先に食っとけよ。」
「好きなものは後に食べる派なのよ!」
目の前で夫婦喧嘩。
俺って邪魔なんじゃねぇの、と思うくらい紗奈と直登は仲がいい。
で、ここで俺が口を出すと怒られるからやめとこう。
「あ、で、雅の話よ!もぉ、直登は黙っといて!」
「もとはと言えば紗奈がな!」
「私は何も悪くないわよ!いいから黙って!」
「俺ばっか毎回悪者!?」
「そうとは言ってないでしょ!?」
「あのぉ・・・」
「「なに!?」」
ほらな、結局怒られた。
俺は空になった弁当箱をしまって、その場から離れようとした。
「「あ、雅っ!」」
二人がそんな俺に気付いて、二人同時に俺の腕をつかんだ。
「話、聞くから!ごめん!」
「悪かった!だから、話してくれよ!」


