そう言うと、未那は少し俯き、黙り込んでしまった。
やっぱ、俺こんなこと言ったら重かったかもな。
少し後悔しつつ、未那の返事を待つ。
俯いていた顔がそっとあげられ、俺の視線とからむ。
その未那の瞳には、涙が溜まっていた。
そして・・・。
「ありがとう、雅」
一粒の涙が未那の頬を伝うなか、未那は微笑みながら俺に囁いた。
「おう。・・・じゃぁそろそろ行くか。話したら行くって約束だし。」
「そうだね。」
お互い荷物を持って、ベンチから離れる。
と、そのとき「あ、そうだ」と言って未那がカバンの中からケータイを取り出した。
「雅、メールアドレス交換しない?・・・だめかな。」
「え、あ、別にだめじゃねぇけど。」
「じゃぁ、赤外線で。」
未那が差し出したケータイの赤外線部に、俺のケータイを近づける。
ピピッ、という音と共に、俺のケータイに未那のアドレスが表示された。
「雅のアドレスは、あとで送ってくれる?」
「おう。わかった。」
そして、俺たちは公園を後にしてバス停に向かった。
「未那、学校行けよ。俺は一人でバス停まで行けるし。」
「ううん。ここまで連れてきたのは私だから、最後まで送っていくよ。」
優しい笑顔で笑って言う未那に、これ以上断ることができなかった
俺自身、本当はこのまま自分の気持ちを打ち明けたい衝動に駆られていた。
でも、ここで焦ったって何にもならない。
それに、今は未那の心の中に、俺がいる確率なんて・・・ゼロに近いんだから。


