まさかとは思ったけどやっぱり学生だった。
だから、まだどこか子供っぽいような雰囲気が残ってるんだな。
って、学生ってことは子供か。
「じゃぁ、ここで降りるね。」
「はい。」
数分後、その女の人が降りるバス停に着いた。
結局あのことも名前も聞くことはなくバイバイの時間を迎えた。
まぁ、何回も思うけど、俺には関係ない話なんだけど。
しばらくして、俺が下りるバス停に着いた。
俺はギターが待つ学校へと足を運ぶ。
その間も、俺はずっとあの女の人のことを考えていた。
学校に着いて、真っ先に視聴覚教室へ向かった。
一応念のために、確認を兼ねて。
ガラガラッ―――
誰もいないはずのその部屋に、ある人間の影があった。
その人は、入り口から覗く俺の存在に気がついた。
「わっ、びっくりした。」
「おう。紗奈。」
「こんな朝早くからどうしたの?めったに人が来ない時間なのに、びっくりしたよ。」
「俺も焦った。誰が俺の相棒触ってんのかと思って。」


