本人に聞くとはぐらかされた。
だから、智がお風呂に行ってる間に、ケータイを見ちゃったの。
そしたら、登録名は男の人のものでも、内容はしっかりと浮気の証拠を残していた。
『なんで、浮気したの?』
『してねぇよ。一緒に飯行ったり遊びに行ったことはあるよ。でも、浮気はしてねぇって。』
私はケータイを見たっていうのに、智は事実を隠そうとした。
でも私は、それ以上智を問い詰めなかった。
智のことが、好きだから。
それからも智のケータイを盗み見ることは増えていった。
何度見ても、浮気を上づけるものばかり。
その度に、私は『違う』『浮気じゃない』って目をつむってきた。
でもそれはいつからか、ストレスになって、私はもう何もかもが嫌になっていた。
だから、少しでも気を紛らわせようと、カッターナイフで・・・。
痛かった。
でも、心の痛みに比べれば、どうってことなかった。
手首の傷は気がつけば治ってる。
でも、心の傷はなかなか癒えてはくれないもの。
智はそんな私の変化には気づいてくれなかった。
だから、手首の傷は余計に増えていった。
いつか、きっと、智は気づいてくれると信じて―――。
でも結局気づいてくれることはなかった。
もう涙もでない。
痛いの声も出ない。
助けて、とも言えない。


