プシューッ―――。
バスを降りて、未那についていく俺。
「この近くにね、小さな公園みたいなところがあるの。この辺、来たことある?」
「いや、初めてきた。」
バス停からしばらく歩くと、その先にすべり台とブランコ、ベンチだけがある公園があった。
「座る?」
「おう・・・。」
俺と未那はベンチに座った。
未那の隣に座っていたのはさっきだって同じだったのに、さっきよりも俺の心臓はドクドクと動いていた。
「雅。」
「・・・ん」
「いつから気づいてた?私の、これ。」
そう言って未那は自分の手首を指さした。
それに気づいたのは、初めて会った時だ。
話をしていたとき、視界に入っていたのを気にしてたんだ。
「びっくりした?」
「・・・あぁ。」
「だよね。私自身も、びっくりした。何やってるんだろって。」
「じゃぁ、やっぱりそれって・・・。」
「世に言う、リスカ、ってやつね。」
そんなこと、笑顔で言うなよ。
なんでそんなこと、軽々しく言えるんだよ。
なんで、そんなことしたんだよ・・・。
「初めて切ったのは、もう一年くらい前かな。」
そう言って前を向く未那の横顔は、どこか遠い過去を見つめているようだった。
「・・・何が、あったんだよ。」
俺が聞くと、未那は小さく息を吸って、話し始めた。
それは、俺が想像していたこと以上のことだった。


