そんな独り言も言いつつ、バス停に着くころには良い時間になっていた。
数分後、俺が乗るバスが来た。
プシュー―――。
バスに乗り込んで、昨日のあの席に向かう。
昨日と同じ席ってことはないかもしんねぇとも思ったけど、とりあえずバスの奥に進む。
「あ。」
「え?」
まさかの、ホントにその席にいたんですけど。
「君、昨日のギターの子だよね、今日は間に合ったんだ。」
「今日はすげー余裕もって出てきましたっ」
「そっか。ここ座る?」
その人は昨日と変わらない笑顔で俺に話しかけてくれた。
俺はまたその人の隣に座る。
その人に一番近い場所に。
「あの、コレ。昨日そのまま貸してもらいっぱなしだったんで、洗って持ってきました。」
「あぁ、そっか。私あのまま降りちゃったんだ。どうりで学校行ってもタオルないなって思ってたの。」
「忘れてたんすか?タオル貸したこと。」
「まぁ、そこは、ね?」
この人意外に天然なのか?
と思いつつ、俺はもう一つ気になることを聞く。
「あの、今学生ですか?」
「そうだよ?専門生だけどね。」


