やっと一日が終わったってのに、あの時間を過ごせないとなるとかなり落ち込む。
明日は思いっきり弾いてやっからな。
視聴覚教室に向かってギターの安全を確認して、俺は家路についた。
家に帰ってまず最初に今日のあのタオルを洗った。
洗濯機に入れるのはなかなか勇気がいった。
母さんにばれるとまたややっこしいし、仕方なく俺は手で洗うことにした。
洗剤で洗って、洗い流して、部屋に上がって干した。
明日には何とか乾くだろう。
その日の夜はずっとそのタオルを見ながら、いつの間にか眠りについていた。
―――ピピピピ。
ピピッ。
「おし!今日は完璧!」
次の日の朝は、きっちり起きることができた。
まぁ、今日はギターねぇし走っても余裕だったけどな。
「いってきまーす」
「はいはい」
息子に向かってはいはい、て。
まぁ言ってくれるだけいいのかもしんねぇけど。
俺は昨日のバスに乗れるように余裕をもって家を出た。
バス停までの道のりを昨日とは、はるかに違うスピードで歩いていく。
今日もすげーいい天気だし。
「気持ちいいなっ!」


