まず、本格的に恋とやらを学び直そうと決意した。が、どうやら一人では難しそうだった。イノがカナに施したキズは、カナの奥の方でまだ疼き、簡単に誰かをスキになる事ができなくなっていた。
カナはそれでもモテる方だった。本人も薄々は感じていたが、それ以上にモテていた。誰もが認める(ハルカはそうでもない…?)美人であり、なのに明るく活発なら当然だ。ならなぜ誰も彼女を恋人にしないのか?それはカナがミンナのモノだったからだ。誰とでも仲良くしてしまうカナは、まさにミンナの山本加奈子だった。それをカナは気付かない。
あるハルカがズル休みをした日、同じクラスの男がカナにある提案をした。ミスキャンパスコンテストに出てみてはどうか?というモノだった。カナはそれで恋の糸口を掴めたらいいなと思い、その申込書に名前を書いた。しかし、それは後でわかる事なのだが、間違いだった。とはいえ、この時点でわかるハズもなく、ミスキャンパスの最有力候補が立候補した。

ユタカは車の整備のアルバイトをしていた。大学を途中で辞めてしまい、遠く離れた地で暮らす親にこれ以上の苦労はかけられないと、懺悔の気持ちで働いていた。