「どう?こんなカンジで。」
「うん。じゃあコレで。」
ハルカはドコかダメなトコロがあったか?と考えたがわからなかった。
「ホントにコレでいいのかな?」
「あぁ。」
いいらしい。
ハルカはハルカで自信はあった。ヒガシのトラックが素晴らしく、ユタカのラップも軽快で、イメージが溢れだし、メロディが次から次へと湧いてきたからだ。だがしかし、ユタカがコレだ…。作り直そう…と思った時、
「スゲーのできたなぁ!」
ヒガシが部屋に帰ってきた。ヒガシの一人暮らしの部屋は、ハルカとユタカのミーティングルームでもあった。そこにはコレといった機材があるワケではなかったが、そこにユタカがいて、ヒガシが住んでいた。だからそこに集まった。

カナはそこには行かなかった。カナには音楽を愛する事はできても、生み出す事はできなかったから。ハルカがその音楽を生み出す作業をしている間、カナは一人だった。一人になると、『アレがヤリたかった』『コレもヤリたかった』とイロイロ思いついた。ハルカばかり才能があってズルイと、いろんなチャレンジをした。