そして、ハルカがデンワを切ると、少し離れたトコロで着信音が鳴った。ビースティーだ。ソチラを振り返るとユタカがデンワをしていた。
「まさか!」
まずカナが気付く。おそらく次はユタカだ。ハルカはまだ遠くを見て、迎えを待っている。
ユタカが気まずそうな顔で近づいてくる。カナはもうわかっていた。彼が迎えだ。
「ひ、久しぶり。」
ユタカが声を掛けた。カナは身構えていたので驚かなかったが、ハルカは「ひいゃお」という音を出して驚いた。
「もしかして、ファリダット?」
続けてユタカが言う。言葉が全然足らない。が、カナも気まずく
「もしかして、たぐち君がお迎え?」
カナも足らない。
「そうなの!?」
ハルカがやっと理解してくれた。
「コッチ。」
やはり、この男が一番足りない。
ユタカを先頭に歩きだした。半ば強引にだが。アノ時と同じメンバーだったが、布陣が違った。やはり男が先頭の方が理にかなってる。ドラクエもそうだ。さながら戦士に続く魔法使いと僧侶。いや、これからクラブに行くのだから三人とも遊び人か。
道中はハルカが会話の先頭になった。約10分間の攻撃(質問だ。)が続く。