デンワの後ろで取り込んでいた。おかげで「わかりました。友達も一人いますんで。」が言えなかった。まぁいい。
それから、10分経った。
まず、カナが気付いた。
「アレ?アノ人…」
キョロキョロと左右を見ている男がいた。ドコかで見た顔。
「ねぇハルカ。アレって」
カナが指差す。
「た…た…たぐち?」
ハルカがかろうじて思い出す。
「そうだ!たぐち君だ!」
カナも言われて思い出した。
「…でもなんで?」
「なんでだろ?」
と、やっているとユタカもコチラに気が付いた。彼も「なぜコイツラがいるんだ?」という顔になった。ユタカは気が付かないフリをして、その駅前の通りをやりすごした。
その5分後、またユタカが現われた。カナもハルカも気が付いた。しかし、またユタカはやりすごした。
「何アレ?」
「気付いてるよね、ゼッタイ。」
「まぁいいわよ。迎えを待ちましょ。」
「そうね。」
すると、ハルカのケータイが鳴った。
「もしもし」
「来た?」
「来てませんケド…アノ友達と二人で来てるんですケド…」
「あっ!そーなんだ!了解、了解。向かわすから待ってて。」