決裂。ソコまでの話では、協力してユタカとハルカを元に戻すなど信じられなかった。あの「良かった。」という言葉さえなければ、まだ話もできたのだが…。
チェスカもソレを悟ったのか、神妙な面持ちになった。カナは観念して告白するかな?と思った時、チェスカの目の奥に引きずり込まれる感覚を覚えた。
「ん?アレ?」

…。

「ワタシの名前はチェスカ。田口家のテーブル。よろしく。」
ナンだ?ソレは!意味がわからない。
「何、ソレ?…まぁ、いいわ。で、どうしたいの?」ほんの二分前と同じセリフを話している事をカナは気付けない。
「ユタカとハルカを元に戻す。」
チェスカは単刀直入に言った。飾りもつけず、そのままの表情で。
「でも…ハルカが…。難しいわ。」
カナはチェスカの真剣な眼差しで、彼女を詮索する事を忘れた。到底、信じられない彼女の自己紹介だったのに。
それから、約一時間ほどの事情聴取ともとれる作戦会議が始まった。