と、ユタカが申し訳なく言うと、杉崎さんが
「無理しないでくださいね。」
と、気遣ってくれた。良いコだ。
午前中はほとんどが引継ぎの作業となった。総員十二名のこの課も、やっと全員が揃った事で通常の営業となった。
いつのまにか昼休みとなっていた。忘れていた。チェスカが作った弁当。
ここの課はけっこう仲が良く、ランチは一緒の事が多い。例によって浅井君が
「ドコ行きます?今日はディーノにしましょうよ!」
ディーノはイタリア料理の店で、浅井君はその店のウェイトレスのアミとかナミとかいう子の大ファンだ。
「今日はスマン!コレがあるから…」
と、ユタカは弁当を出した。
「アラまぁ。わかりました。」
と、残念そうな感じで今度は杉崎さんの方へ駆け寄って行った。
そして、とりあえず静かになるのを待ってから弁当を開けた。色が豊富だった。なんともカワイイ。幼稚園児じゃないんだぞと、思っていた時に
「あぁ!カッワイイ!」
浅井君と一緒に行ったと思っていた杉崎さんが、まだオフィスにいた。
「あの、いや違うのコレ…」
と動揺しているうちに
「課長!コレ見てくださいよ!カワイイですヨ!」
「どれどれ…」