そうなると、友達の方面を当たるしかないのだが、マズイ事にあまりに疎く、すぐに行き止まりになった。共通の友人は一人だけで、
「あれ!田口君!ひさしぶりじゃない。どうしたのよ!元気にしてた?」
「ああ、うん・・」
「あいかわらずね。どう?ハルカとは。ウマくやってる?またそっけなくしてケンカでもしてんじゃないの?だいたい田口君は・・・」
カナは話を始めると止まらなくなる体質だった。だから彼は、自分の確かめたい事の半分しか知る事ができなかった。山本加奈の元に彼女はいないという事。それだけ。
「田口君は、アレね。他人を思う気持ちってゆうの?そう、そうゆうところが欠けてるのよ。そうね、うん、そうだわ。だいたい大学の一年の時だっけ?アノ時も・・」
またその話か・・とゆう顔で受話器を持つ彼。それを知らないカナ。カナは彼の抱えている問題を欠片も気にしなかった。というよりも、彼が説明するヒマを与えなかった。が、しかしそれで、山本加奈の元に彼女がいないという事がわかった。
「ありがとう。また連絡するよ。・・・わかった、じゃあ」
やっと開放された。一時間と二十三分におよぶ決戦は試合に勝って勝負に負けたという所だ。言葉の弾丸をコレでもかというほど浴びたが、彼の一番の目的は果たされた。では、一体どこに?彼はまた自問自答を始めた。グルグルとリビングを歩く。手がかりがないかとあらゆる引き出しを開けて、また閉じる。もう一度電波を送る、今度はそうっと、やさしく。しかし、彼女には辿り着けない。
そうやって過ごしていても、自分が生きていると実感させられる音、そう空腹である事を示す音がなる。この非常事態なのに何を食べたいというのだ?まったく図々しい!が、しかし死ぬワケにもいかないのでこんな一週間でも一日一食は食べた。そして、七日目を迎えた今日は、まだ昨日の昼から何も食べていない。彼は冷蔵庫を開けたが口にできそうな物はなかった。買い物に出かけていなかった為である。そういえば、昨日の食事は納豆と海苔と冷凍されたコロッケ(油で揚げるくらいはできる。)だった。彼は周りを見渡し考えた。
「あっ!」
と、ある事を思い出し、176cmの身長をフルに使って頭の上の棚を開けた。するとそこには、非常用のカップラーメンと缶詰があった。安堵の息がもれたと同時に涙がこぼれた。この棚と彼女の思い出が蘇ったのだ。
「あれ!田口君!ひさしぶりじゃない。どうしたのよ!元気にしてた?」
「ああ、うん・・」
「あいかわらずね。どう?ハルカとは。ウマくやってる?またそっけなくしてケンカでもしてんじゃないの?だいたい田口君は・・・」
カナは話を始めると止まらなくなる体質だった。だから彼は、自分の確かめたい事の半分しか知る事ができなかった。山本加奈の元に彼女はいないという事。それだけ。
「田口君は、アレね。他人を思う気持ちってゆうの?そう、そうゆうところが欠けてるのよ。そうね、うん、そうだわ。だいたい大学の一年の時だっけ?アノ時も・・」
またその話か・・とゆう顔で受話器を持つ彼。それを知らないカナ。カナは彼の抱えている問題を欠片も気にしなかった。というよりも、彼が説明するヒマを与えなかった。が、しかしそれで、山本加奈の元に彼女がいないという事がわかった。
「ありがとう。また連絡するよ。・・・わかった、じゃあ」
やっと開放された。一時間と二十三分におよぶ決戦は試合に勝って勝負に負けたという所だ。言葉の弾丸をコレでもかというほど浴びたが、彼の一番の目的は果たされた。では、一体どこに?彼はまた自問自答を始めた。グルグルとリビングを歩く。手がかりがないかとあらゆる引き出しを開けて、また閉じる。もう一度電波を送る、今度はそうっと、やさしく。しかし、彼女には辿り着けない。
そうやって過ごしていても、自分が生きていると実感させられる音、そう空腹である事を示す音がなる。この非常事態なのに何を食べたいというのだ?まったく図々しい!が、しかし死ぬワケにもいかないのでこんな一週間でも一日一食は食べた。そして、七日目を迎えた今日は、まだ昨日の昼から何も食べていない。彼は冷蔵庫を開けたが口にできそうな物はなかった。買い物に出かけていなかった為である。そういえば、昨日の食事は納豆と海苔と冷凍されたコロッケ(油で揚げるくらいはできる。)だった。彼は周りを見渡し考えた。
「あっ!」
と、ある事を思い出し、176cmの身長をフルに使って頭の上の棚を開けた。するとそこには、非常用のカップラーメンと缶詰があった。安堵の息がもれたと同時に涙がこぼれた。この棚と彼女の思い出が蘇ったのだ。
