彼が一人になって一週間が経つ。その3LDKの部屋の主人はユタカだけだったのだが、ゆっくりくつろぐ事はなかった。いつのまにか眠ってしまっていたベージュのソファーの中でしか、彼は暮らしていなかった。テレビはずっと点けっぱなしだったが、もちろんハルカの行方が緊急速報として、文字として出てくるワケがなかった。しかし、彼がそれを消さないのは、その部屋の空気に耐えられないし、なにより一人と感じる事がつらかったから。生まれてから今まで、こんなに孤独であった事がない。彼はいつも誰かの声を聞きながら過ごしていた。母、姉、ハルカ・・・いつだって気にかけてもらっていた。こんな窮地は初めてだった。
あの日から彼は仕事に行っていない。一応は病欠になっているらしいが、彼は寝込んだりはしていない。いや、むしろ精力的に活動しているように見えた。だが、つながらない。彼女には辿り着けない。辿り着けないばかりか、居所が分からない。こういう場合、お嫁さんという立場の人物は、決まって実家に帰るというのがセオリーなのだが、ハルカの場合はそうもいかない。ハルカは実家とは絶縁していたからだ。現に、あの日の次の朝に電話をかけてみても
「何ですか?あなたと私どもとは何の関係もございませんけど。」
「あ、あのウチのハルカがお邪魔しておりませんか?」
「いいえ。来ておりません。もう電話をしてこないで頂けますか。」
といった具合だ。彼ですらその対応になるのだから、彼女の場合はもっとひどくなる事が予想された。その事についてはあまり知らされていなかった。彼と出会う前からすでに、修復不可能な関係だった。
あの日から彼は仕事に行っていない。一応は病欠になっているらしいが、彼は寝込んだりはしていない。いや、むしろ精力的に活動しているように見えた。だが、つながらない。彼女には辿り着けない。辿り着けないばかりか、居所が分からない。こういう場合、お嫁さんという立場の人物は、決まって実家に帰るというのがセオリーなのだが、ハルカの場合はそうもいかない。ハルカは実家とは絶縁していたからだ。現に、あの日の次の朝に電話をかけてみても
「何ですか?あなたと私どもとは何の関係もございませんけど。」
「あ、あのウチのハルカがお邪魔しておりませんか?」
「いいえ。来ておりません。もう電話をしてこないで頂けますか。」
といった具合だ。彼ですらその対応になるのだから、彼女の場合はもっとひどくなる事が予想された。その事についてはあまり知らされていなかった。彼と出会う前からすでに、修復不可能な関係だった。
