彼らも三人組だった。夜中なのにサングラスをしている。シャツからはみでたタトゥー。そして、ユタカよりひとまわり大きい。その三人組は頼りになりすぎる。
カナもハルカもクラブを目指して、ただ真直ぐ前を見ていた。
「オイっ!どうなんだよ!」
その声が叫びに変わった時、目の前が暗くなり、嗚咽が走った。
「よろしければどうぞ。」ヨロシケレバドーゾ…なんて言葉だ。凄まじい嫌悪感。つらい。
「ハァ?ナニゆってんの?アッハハハ」
彼らは笑ってる。しかし、彼女達はユタカを睨む。
「だってサ。ドースル?」
彼らはユタカから彼女達に向きを変えて、話した。彼女達は無視をして、歩みのスピードを上げた。
「チョット待ってヨ!」
タトゥーの男がカナの肩に手をのばした。その時、カナが突然走りだした。ハルカはカナに付いていけず、サングラスの男に腕を掴まれた。
「いいよ、一匹で。いくぞ!」
「い、イヤァー!」
叫び声が響いた。サングラスの男がハルカの口を塞ぎ、その後に出るはずだった「タスケテ」の言葉を遮った。