そんな中でも、ソファの位置的に背を向ける形になるキッチンでは、真寿さんがテキパキと動いている音がする。 冷蔵庫を開いて、閉じて。 調理器具を出して、何かを水で洗う音。 「あ、ねーねー杏悟、ボウルとかある?」 「あー、あるよ。ちょっと待って、今出してあげるから」 あんちゃんは真寿さんに[待て]をかけると、まず私のところにオレンジジュースを持ってきた。